アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

生後2~3カ月ごろに顔から始まり、徐々に体や手足にひろがり、ヒジ・ヒザの内側などに治りにくい湿疹がつづくものです。乳児なら3カ月以上、こどもなら6カ月以上続けばアトピー性皮膚炎と診断されます。非常にかゆいのが特徴です。しっかりと治療を続ければ小学校高学年にはほとんど治ってしまいますが、最近はおとなになっても上半身や顔の湿疹が治らない人が増えています。

 

年齢によってアトピーの症状が出やすい部位が変わってきます。
乳幼児期:顔や頭
小児期:ひじの内側、ひざの内側
青年期:顔や上半身

アトピーの原因は?

・完全にわかってはいませんが、遺伝性に皮膚の、水分を保つ機能と外から体を守る機能(バリアー機能)が弱いため、皮膚が乾燥し、ダニやホコリなどのアレルギー原因物質(アレルゲン)に対するアレルギー反応が原因といわれています。アレルギーの原因は各種IgE抗体を血液検査でしらべることでわかります。

アトピーになりやすい人は?

■家族の中にアトピーのひとがいる
■気管支喘息、じんましん、花粉症などアレルギーの病気をもっている
■かぶれやすい、食べ物にあわないものが多い
■血液検査でIgE抗体が高い

アトピーの治療法は?

治療は主にステロイドの塗り薬とかゆみをとめる抗アレルギー剤になります。
症状に合わせてタクロリムス(プロトピック)軟膏や保湿剤、漢方薬も処方します。
また、光線療法(保険適応)による治療も行っております。その他、アトピー最新治療も保険適用となっております。

アトピー性皮膚炎の治療の流れ

1. 皮疹(皮膚の湿疹など)が多い場合は…

症状に合わせたステロイド外用剤を症状の出ているところに用います。同時に、抗アレルギー剤を服用し、エキシマ紫外線療養(VTRAC)で皮膚の赤みやかゆみを抑えます。

2.落ち着いてきたら…

ステロイド外用剤を弱めにしたり、ステロイド以外の塗り薬や保湿剤を用います。

3.皮疹がほとんど見られなくなってきたら…

保湿剤を塗るなど、再発の防止を考えた治療に変えます。

4.再発したら…

アトピー性の皮疹は、体質に大きく関る症状なので、すぐに完治には至らない場合もあります。かゆみのある部位を刺激することは一番よくないので、それを避けながら上記治療の流れの(1.2.)の治療を再開します。

5.治療効果がなければ...

アトピー性皮膚炎最新治療(2023)

現在、アトピー性皮膚炎の根本治療となる新薬が続々と登場しています(保険診療)。炎症やかゆみの信号を抑える(生物学的製剤)もしくは完全に止める(阻害剤)ものです。従来の治療法で、改善しない中等度以上の患者様にも効果を発揮しています。注射(生物学的製剤)・軟膏(阻害剤)・内服薬(阻害剤)とあり、当院では副作用の少ない注射(生物学的製剤)・軟膏(阻害剤)を症状に合わせて医師が処方します。注射は高額(医療費助成制度あり)であり、中等度以上・難治の患者様適応です。今までの治療でなかなか改善しなかった中等度以上のアトピー性皮膚炎の患者様に対して、高い改善効果と安全性を示しており、これまでにない優れたアトピー性皮膚炎治療薬として注目されています。         

軟膏

■コレクチム軟膏 2020年6月発売
■モイゼルト軟膏 2022年6月発売

注射

■デュピクセント 2018年4月発売

15歳以上(2023年小児適応予定)自己注射

3か月に1回通院

副作用:眼瞼炎、注射部位紅斑、過敏症など

■ミチーガ    2022年8月発売

13歳以上 看護師が注射

1か月に1回通院

副作用:アトピー性皮膚炎悪化、注射部位紅斑、過敏症など

                                                                           

ステロイド剤についての考え方

ステロイドは使い方によって効果が変わります。
世の中で賛否両論のあるステロイド剤の使用には、患者さんの体質や症状、今までの経過や治療の様子に、私たち医師の正確な診断を慎重に合わせて、使用しています。
どうしても使いたくない患者さんには無理強いはしておりません。
ただ、ステロイド剤にも多種があり、最適な使用をすれば「かゆみで寝られない」「真っ赤に腫れて恥ずかしい」などのお悩みを少しでも軽くできると考えています。

アトピーを治すために心掛けること

皮膚を保湿する

保湿剤によるスキンケアをこまめにしましょう。お風呂上がりにすぐにたっぷりぬりましょう。

皮膚を清潔な状態に保つ

汗や汚れはかゆみの原因になるので、シャワーでしっかり洗い流しましょう。
夏は汗をかくたびにシャワーをあびてください。
体を洗うときはやわらかいスポンジで石けんを泡だてて、こすらないようにやさしく洗い、しっかり洗い流しましょう。

睡眠をしっかりとってストレスをためない

無理せずストレスは早めに発散しましょう。ストレスによりかきむしりが多くなり、アトピーがひどくなります。

爪をこまめに切りましょう

かきむしることがアトピーの最大の悪化原因です。長い爪でひっかくとアトピーがすぐにひどくなります。

生活環境を清潔に保つ

そうじや洗濯をまめに行い、晴れた日にはふとんを干しましょう。ダニ・ホコリはアトピーの大敵です。

体感温度に気を付ける

できるだけ涼しい環境を心がけ、熱いお湯での入浴・シャワーは避けましょう。暑いと汗もかき、かゆみも増します。
とくに赤ちゃんは暑がりで温度調節が下手です。厚着になっていないか気をつけて下さい。おとなは飲酒を控えめにしましょう。

刺激の少ない肌着・衣類をえらびましょう

皮膚を刺激するとかゆみがひどくなります。肌に触れるものは吸湿性のいい、柔らかい木綿を使うようにしましょう。
洗濯物はよくすすいでください。

勝手に治療を中止しない

アトピーはしっかりと治療を続ければ小学校高学年にはほとんど治ってしまいますが、途中で治療をやめてしまうと、おとなになっても上半身や顔の湿疹が治らない人がいます。定期的に医師にかかり、皮膚の状態をみてもらいましょう。

食物アレルギー

Q

食物アレルギーと診断されたら、どうすればいいの?

A

食物アレルギーは赤ちゃんや子供に多く、口のまわりに湿疹の原因となる物質(食物)が付着して起こるなどと言われております。専門医の元で、原因食品を少しずつ摂取して慣れるなどの適切な治療をはじめることで、多くのお子さんがおとなになる前に治ります。

食物アレルギーとは

食物により、ヒトのからだでじんましん、湿疹、下痢、呼吸困難などの異常な症状がおこることがあります。免疫学的メカニズム(IgE抗体)がその異常に関与する場合を食物アレルギーと呼びます。

Q

食物アレルギーと思ったら、どうすればいいの?

A

病院に行ってアレルギー検査を受けて下さい。
いろいろな食物のIgE抗体は血液検査でしらべることができます。
たとえば、小麦アレルギーがある場合、小麦のIgE抗体を調べると高い値になります。症状が良くなっていくにつれて、この値は下がっていきます。

Q

食物アレルギーと診断されていないけど心配。

A

食物アレルギーはアトピー性皮膚炎などを併発することが多いです。
口のまわりの湿疹をすばやく治すことで、食物アレルギーを予防することができます。食品を摂取することで、その食品に対する寛容(トレランス)が得られるので、じんましんなどの激しい症状が無ければ、怖がらずに少しずつ摂取して慣れていくことが大切です。

牛乳アレルギーでの除去食品

アレルギーの出やすさ牛乳食品
★★★★★
(非常に出やすい)
  • 牛乳
  • 生クリーム
★★★★
(出やすい)
  • 牛乳を生で使用
    アイスクリーム、ミルクセーキ、プリン、コーヒー牛乳、ミルク、チーズ、ヨーグルト
★★★
(やや出やすい)
  • 牛乳料理
    シチュー、グラタン
  • 加工品
    ハム、ソーセージ
  • 牛乳を多く使った菓子
    ケーキ、チョコレート、食パン
★★
(出にくい)
  • 焼菓子
    ビスケット、クッキー

卵アレルギーでの除去食品

アレルギーの出やすさ牛乳食品
★★★★★
(非常に出やすい)
  • 生卵、半熟玉子、アイスクリーム、ミルクセーキ、あわゆき、プリン、マヨネーズ
★★★★
(出やすい)
  • ゆで卵、茶碗蒸し、オムレツ、スクランブルエッグ、かまぼこ、固ゆでたまご、ポーチドエッグ(固め)、卵ボーロ
★★★
(やや出やすい)
  • 卵を使った加工食品、菓子、ハム、ソーセージ、かまぼこ、カステラ、ケーキ、食パン
★★
(出にくい)
  • 天ぷら粉、麺類のつなぎ、クッキー、固ゆで卵黄

小麦アレルギーでの除去食品

アレルギーの出やすさ牛乳食品
★★★★
(出やすい)
  • 麩(ふ)、強中力粉を使用した麺類、うどん、スパゲティ、パスタ、パン類
★★★
(やや出やすい)
  • 菓子(ケーキ、クッキー類)、肉、練り製品のつなぎ、ルー
★★
(出にくい)
  • しょうゆ、味噌、酢、オートミール、押し麦

大豆アレルギーでの除去食品

アレルギーの出やすさ牛乳食品
★★★★★
(非常に出やすい)
  • 大豆煮豆、きなこ
★★★★
(出やすい)
  • 豆腐、豆乳、おから
★★★
(やや出やすい)
  • 納豆、グリーンピース
★★
(出にくい)
  • みそ、しょうゆ、もやし、あずきなど

完治について

食物アレルギーは、赤ちゃんやお子さまに多く見られる疾患です。赤ちゃんに多い卵・牛乳・小麦・大豆アレルギーは、適切な治療と、食べていくことで体が慣れていき、9割以上の方が完治します。加熱しているものは、一般的にアレルギー症状が出にくい為、まずは加熱しているものから徐々に与えて、身体を慣れさせていきます。

 

しかし、おとなになって発症するえび・かに・そばアレルギーは、ほとんど完治することがなく、生涯、除去していくことが必要になります。

乳児の食物アレルギー検査について

当院で行っている検査は、採血のみになります。血液検査で各食物のIgEの抗体価を測定し、アレルギーの原因になっている食品を調べます。

食べ物を少しずつ食べてアレルギー反応を見る、チャレンジングテストが必要な場合は小児科のアレルギー専門医を紹介致します。

また、特定の物を食べて、顔が腫れる、蕁麻疹が出る、呼吸がおかしくなるなどのアナフィラキシーショック様症状がある場合は、速やかに小児科をご紹介します。

  • 皮膚科・アレルギー科 ひぐちクリニック

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